新人看護師にこそ知ってもらいたい、急変対応のアレコレ

基本的な急変対応の流れとは

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急変対応の基本的な流れ

急変対応の基本的な流れ

急変対応の基本的な流れを紹介します。ここで紹介する流れはあくまで一例です。実際にはその時々の状況に応じて都度変化するということを念頭に置いた上で参考にしてください。

意識の確認

患者の様子がいつもと違う、何か変だと感じたら声がけをしてください。その際は大きな声で呼びかけましょう。こちらの声がけに対して返答や仕草がない場合は「反応なし」と判断し、顔色や呼吸の状態を確認した上で異常が認められた際は応援を要請します。なお、急変を発見した際にはその後の処置について逐一看護記録を付けてください。正式な看護記録を付けるのが難しい場合でも可能な限り詳細にメモを残しておきましょう。

素早く周知

急変を発見した後はすぐに緊急ナースコールをしましょう。ナースコールがなければ大声で急変が起きたことを周知します。重要なのは可能な限り多くの人員を集めることです。その際は患者から離れないようにしてください。報告を受けた人は救急カートや除細動器を持って応援に向かいます。

呼吸・循環の確認

まずは呼吸を確認してください。顔を近づけ、視線は心窩部に向けます。呼吸音や息を確認し、胸部の動きを観察しましょう。その後すぐに循環を確認します。脈拍触知とブランチテストをして、循環が正常かどうかを判断してください。なお、ブランチテストとは爪床を5秒間圧迫して離し、爪床の赤みが元通りになるまでの時間を確認する方法です。2秒未満なら正常ですが、それ以上かかるようであれば循環障害が生じている可能性があります。
呼吸がなく心肺停止状態の場合は、直ちに心臓マッサージを開始します。胸の真ん中もしくは乳頭と乳頭を結ぶ線の中央あたりを1分間に100回程度の速さで圧迫しましょう。圧迫の強度は5cmほど沈む程度で、強めに30回ずつ押します。

それぞれの役割

心臓マッサージを担当する人は絶え間なく続けてください。応援に駆け付けた人は医師への連絡や蘇生のための環境調整、家族への連絡などを分担して行います。医師に連絡する際は、S(患者の状況)、B(臨床的背景)、A(SとBから考えられる問題)、R(問題解決のための提案)から成る「SBAR(エスバー)」を意識してください。環境調整の際は、「呼吸器やモニターの用意」「ベッドの頭側にある柵の除去」「周囲にある不要な物の除去」「エアマットの空気抜き」などを行います。家族に連絡する際はきちんと情報を整理した上で、今何が起きていて、今後どのようなことが起こる可能性があるのかを伝えてください。その際は焦らず、声色やトーンにも意識を向けてください。医師が到着次第処置が始まりますので看護師はその介助を行います。

急変対応が不安なあなたへ