新人看護師にこそ知ってもらいたい、急変対応のアレコレ

看護師が患者を観察する際のポイント

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患者を観察する際のポイント

患者を観察する際のポイント

急変は突発的に起こるものです。そのため、日頃から注意深く患者を観察しておかなければなりません。観察の結果、早期に異常を発見することができれば最悪の事態を防げます。以下に患者を観察する際のポイントを紹介します。

呼吸器

患者の状態を観察する際に大切なのは、呼吸の速さと深さを把握することです。その上で発声が可能か、胸部の動きに異常がないか、呼吸が不規則ではないか、重篤な症状の場合には舌根沈下やいびきなどの症状がないかを確認しましょう。聴診だけでなく、目で確認する視診が重要となります。

意識障害は突然起こるタイプと徐々に進行するタイプの2種類あります。突然意識障害が起こるケースは緊急度と重症度が高いことがほとんどで、呼吸異常などの障害を併発するため救命処置を施さなければなりません。軽度の意識障害だった場合、一見では分からないことも多いので患者に質問などをして異変を感じるようであれば検査を行います。
重度の意識障害が発生した際は生命の危機に陥っているケースが多いので、迅速に判断を行い呼吸・循環の安定化を優先して行う必要があります。

循環器

急変のサインは「呼吸困難」「胸痛」「失神」「チアノーゼ」「浮腫」などの症状であらわれます。特に注意しなければならないのは呼吸困難と胸痛です。呼吸困難は基本的に酸素が不足しており、呼吸運動を活発にしても補いきれない状態の時に起こるため、ショック症状の有無を観察しながら酸素投与などを行う必要があります。胸痛に関しては、まず生命の危機につながる状態かどうかを確認した上で緊急処置が必要な場合には迅速に病状を把握し、適切な処置を行わなければなりません。

消化器

発熱や下痢を伴う腹痛が突発的に起きた場合も注意が必要です。腹部症状は急変症状の中でも発生しやすく、その際に重要なのは元々の疾患によるものなのか突発的に生じた別の症状なのかを正確に判断することです。その内容に応じ、患者が訴えている症状を確認した上で緊急度や重症度を決めます。特に注意しなければならないのが急性腹症です。ショック症状を引き起こす可能性があるため、的確な観察・アセスメントが求められます。

代謝・内分泌

急変で最も多い症状は意識障害と呼吸パターンの変調で、入眠状態と間違えないように注意しなければなりません。この症状において最も緊急度が高いのは低血糖によるものです。低血糖時には中枢神経障害を発症する恐れがあり、致死的な状態に陥ることもあるので早急な対応が必要になります。リスクの高い患者の食事摂取や投薬の状況を日頃から把握しておくことが早期発見につながります。

急変対応が不安なあなたへ